Add to Google
Googleのパーソナライズドホームにガジェットを追加できます。
詳しくはこちら!

“摇摆“yáobǎi “摇晃“yáohuàng/yáohuang (樋口 幸子) ~ 【相原茂:監修】 「どうちがう?似たものことば」(9)


>>目 次

●第9回

「地震で揺れる」、「ブランコが揺れる」、「揺れる心」など、様々な「揺れる」はどう使い分けるのか、「揺れる」のあれこれを“摇摆” yáobǎiと“摇晃”yáohuàngで表現し仕分けてみる。

摇摆yáobǎi:
揺れる。揺れ動く。揺らす。<反対方向を行ったりきたりする往復運動。>
摇晃yáohuàng:
揺れる。揺れ動く。揺らす。<動きに方向性は無い。>

 “摇”yáo、“摆”bǎi、“晃”huàng、共に「揺れる」という意味があるが、“摆”に時計や精密機器の振り子の意味があることから、“摇摆”は、「振り子のような往復運動をする揺れ」に多く使う。一方、“摇晃”は「方向性の一定でない不規則な揺れ」を表す。動きの方向性を使い分けの大まかな目安として、“摇摆”と“摇晃”でどう違うのかをみてみる。

 「ブランコがゆらゆら…」
 子供の遊ぶブランコが、前に後ろに規則的に大きく揺れている様は、


1)小明玩儿的秋千在摇摆着。
Xiǎomíng wánr de qiūqiān zài yáobǎizhe.
(小明が遊んでいるブランコが揺れている)


 遊び終えたブランコがゆらゆらとまだ不規則な動きをしているなら、


2)小明刚玩儿完的秋千还在摇晃着。
Xiǎo míng gāng wánrwán de qiūqiān hái zài yáohuàngzhe.
(小明が遊び終えたブランコがまだ揺れている)


 「風が吹いて樹の枝が揺れる様は…」
 春風にゆったり、柳の枝がゆらりゆらりとたなびく様子は、


3)春风吹过来,柳枝摇摇摆摆。
Chūnfēng chuīguolai,liǔzhī yáoyáobǎibǎi.
(春風に柳の枝がたなびく)


 そよ風の中、こずえがかさかさと細かに揺れるのは、


4)微风吹过,树枝在摇晃。
Wēifēng chuīguo,shùzhī zài yáohuàng.
(微風が吹き、木の枝が揺れている)


 「旗の振り方…」
 マラソンの応援にパタパタと旗を左右に振るなら、


5)摇摆着旗子的那个人就是他。
Yáobǎizhe qízi de nà ge rén jiù shì tā.
(旗を振っているのが彼です)


 8の字や、左右や、てんでばらばらな方向に自在に旗を振っているなら、


6)他们摇晃着小旗子进场。
Tāmen yáohuàngzhe xiǎo qízi jìnchǎng.
(彼らは小旗を振りながら入場する)



以下,いくつかの視点から2語の使い分けを補っておく。
 【一.往復性】
 ある一定の幅、リズムがあり、単調な往復運動をする場合は、“摇摆”を使う。


7) 猫边走边摇摆着尾巴。
Māo biān zǒu biān yáobǎizhe wěiba.
(猫が尻尾を振り振り歩いている)

8)她走路的时候,总是摇摆着皮包。
Tā zǒulù de shíhou,zǒngshǐ yáobǎizhe píbāo.
(彼女はいつも鞄を振りながら歩く)


 “摇摆”は、振り子のように規則性を持つ単調な往復運動に使われる事が多いが、“摇晃”は、その往復運動が左右、前後、斜めなど、組み合わさり、三次元空間を複雑に行き来する場合に使う。


9)他喝醉了,走路摇摇晃晃的。”
Tā hēzuì le,zǒu lù yáoyáohuànghuàng de.
(彼は酔って千鳥足だ)

10)吊灯在摇晃,我就知道又地震了。
Diàodēng zài yáohuàng,wǒ jiù zhīdao dìzhèn le.
(シャンデリアが揺れて、また地震だと分かった)

ちなみに、上下の揺れには“摇摆”も“摇晃”も使えない。“颠簸”diānbǒ を使う。
11)道路很不好,汽车颠簸着前进。
Dàolù hěn bù hǎo,qìchē diānbǒzhe qiánjìn.
(道が悪く、車は上に下に揺れながら進む)


 【二.不安定な動き】
 物体が安定していない様子、不規則、不安定な揺れ、ぐらつきには“摇晃”を使う。(“摇摆”は使わない)


12) 突然一阵摇晃,书架上的花瓶掉下来了。
Tūrán yí zhèn yáohuàng,shūjiàshang de huāpíng diàoxialai le.
(急にグラグラッときて、本棚の花瓶が落ちてきた)

13)那把椅子有点儿摇晃了。
Nà bǎ yǐzi yǒudiǎnr yáohuàng le.
(あの椅子はぐらついている)


 【三.心の揺れ】
 考えが右にいったり左にいったり、白か黒か、などの心が揺れ動く様や抽象的な対象には“摇摆”を使う。(“摇晃”は使わない)


14) 对于这个问题你必须态度明确,不要摇摆不定。
Duìyú zhè ge wèntí nǐ bìxū tàidu míngquè,búyào yáobǎibudìng.
(この問題に関し、態度をはっきりすべきだ、ふらふらしていては駄目だ)

15) 在大是大非前面,他决不左右摇摆。
Zài dàshìdàfēi qiánmian,tā jué bù zuǒyòu yáobǎi.
(白黒はっきりさせる時に彼は決してぐらつかない)


 【四.その他の注意点】
 “摇摆”も“摇晃”も多くは自動詞的に「揺れる」として使うが、旗を振る、猫が尻尾を振るなど、その存在が自分の体と一体化しているかのような対象物であれば、「揺する」「振る」と他動詞的に使うことができる。


16) 她跟节奏摇摆着身体,手里摇晃着手鼓。
Tā gēn jiézòu yáobǎizhe shēntǐ,shǒuli yáohuàngzhe shǒugǔ.
(彼女はリズムに乗って体を揺らしながら、タンバリンを振っている)



(執筆:樋口 幸子)




相原 茂: 東京教育大学修士課程修了。明治大学助教授、お茶の水女子大学教授を経て、
現在中国語教育の第一人者として活躍中。NHK中国語講座を長年担当。
中国語コミュニケーション能力検定(TECC)を実施している中国語コミュニュケーション協会代表。

『はじめての中国語』『 Why?にこたえるはじめての中国語の文法書 』『 中国語空耳ワールド 』等、著書多数。

●相原 茂ホームページ:
MAO的小屋~相原茂の隠れ部屋
http://maoroom.jp/


●中国語コミュニケーション能力検定(TECC)公式HP:
中国語コミュニケーション能力検定(TECC)

読者のコメント

コメントを入力